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伊香保珍道中

 まぁ、別に珍道中というほどの事件など起こっていないし、このブログの趣旨を知っている人からすれば「寂れた温泉街のレポートなんざ書いてるヒマあったら偉ぶったレビュー上げてツッコませろや」って感じなんでしょうが、旅行も私の趣味のひとつなんでお付き合いください。ちなみに、次のレビューはDonell Jonesの『Lyrics』を予定しています。なお、今回から写真を別窓リンクで貼るのやめました。いちいちタグ打つのメンドイから。オリジナル・サイズで見たい人は、保存してビューア・ソフト使うなりサムネイルをアドレス・バーにD&Dするなりしてください。

 伊香保は群馬県と長野県の県境近く、今回は行きませんでしたが榛名山の麓にある温泉街、徳富蘆花の名著『不如帰』の舞台になった(いうまでもなく、伊香保ロープウェイの不如帰駅はこの作品が由来)ことでも有名で、明治~大正に与謝野晶子、夏目漱石、竹久夢二ら多くの文豪・芸術家が訪れたレトロな街です。伊香保の地名は、アイヌ言語で「湯の湧き出る場所」という意の「イカホップ」からきたとも、雷の「イカ」と火の「ホ」を合わせたものとも言われています。群馬県では少し北上したところにある草津温泉の方が有名で栄えていますが、そっちは去年行ったのと、初めての場所という響きに惹かれてこっちを選びました。大宮駅から特急草津・水上で約1時間半、渋川駅で下車しバスに揺られる(比喩的表現ではなく、本当に山道を強引に進んでいくためガッタガタ揺れます。心配な人は酔い止め必須)こと約30分。そろそろ温泉地にとってはオンシーズンになるはずなのに、バスの乗客は私を含めてたった2人。終点で下車すると大小様々な旅館が軒を連ねていますが、明らかに供給過多だと思います(笑


伊香保神社鳥居伊香保神社拝殿 終点・伊香保温泉で下車し、道なりに登って行くと、最初の目的地である伊香保温泉へと至る石段の真下に出ます。ここが伊香保で最も有名な場所であろう石段街の頂上で、紅葉のシーズンになると必ずといっていいほど紹介される河鹿橋は、ここよりさらに上にあります。創建は天長2年、祭神は大己貴命と少彦名命の2柱です。少彦名命はともかく大己貴命って誰やねん、というツッコミが飛んできそうですが、ようは大国主命のことです。大国主命は島根県の出雲大社に祀られている神として有名ですが、少彦名命というのは、神道に興味のない人からすればあまり馴染みがないかもしれませんね。この少彦名命は、大国主命とともに国造りを行った重要な神で、神産巣日神の子、常世の国(桃源郷のような、現世とは別の世界)からやってきました。ガガイモの殻で出来た船に乗り、蛾の羽を身にまとった非常に小さな神で、一寸法師のモチーフとも言われています。この2柱はセットで祀られることが多いので、摂社を見てまわると面白いかもしれません。伊香保神社の場合は、ひとつの本殿に両神が祀られています。もともとは石段の頂上にあったわけではなく、かつての境内には社殿の他に薬師堂というお堂も存在していましたが、明治11年にかつての神社が焼失、現在の社殿はもともと仮殿として建てられたものだそうです。


飲泉所 拝殿の脇にある道を抜けて道なりに進んでいくと、河鹿橋があります。葉は写真のようにまだ紅葉しきる前の状態で、ところどころに赤みが差した枝がある程度でしたが、これがもう少しすると眼を見張る真っ赤なデコレーションに変わります。ちなみに、下を流れる川は普通の水ではなく「黄金の湯」と呼ばれる温泉で、非常に鉄分が多いため川底は朱というか黄土色っぽくなっています。実際に触ってみるとほんのり温かく、わずかに硫黄の匂いがします。ちなみに、この川はすぐ上にある2号源泉から湧き出しているものです。ちなみに、この橋を渡ったところには、かつての湯治場だった千明元屋鋪跡の看板が立っています。その2号源泉へ向かう途中にあるのが、この飲泉所です。ドイツの医学博士エルヴィン・フォン・ベルツ氏によって提唱された飲泉を体験できますが、上述の通り鉄分を含んだ温泉を直に飲むわけで、味はまんま錆びた鉄というか、赤ワインを常温で数日ほったらかしたような感じというか、まぁ平たく言うとめっちゃくちゃマズいです。置いてあるコップも温泉の成分によって内側がヌメっていました。すぐ横に水道水があるのは飲み比べるためなのかと思っていましたが、どうやら口直しのためだったようです。


ベルツ博士像湯の花まんじゅう 飲泉所から上へと進むと先述した2号源泉があり、そこに建っている銅像のオッサンがベルツ博士です。この源泉は透明のドームで覆われており、湯が湧き出す様子を見ることができます。敷地内には、湧き出したばかりの温泉を堪能できる露天風呂もありますが、あいにく私が行った日は定休日で入れませんでした。来た道を折り返して石段街へ戻りますが、その直前に元祖・湯の花まんじゅうで有名な勝月堂があります。温泉地に行けばどこでも売っている温泉まんじゅうの発祥であり、お店も小ぢんまりとしていて、田舎のおばあちゃんの家みたいな匂い(畳と木と石油ストーブが混ざり合った独特のアレね)がしました。まんじゅうは1個80円、2個注文し店先のベンチで頂きましたが、出来立てだったらしく中の漉し餡がメチャクチャ熱かったです。勝月堂の湯の花まんじゅうは、今でも仕込み段階から全て手作業で行っており、形もまばらで見た目はそれほど綺麗とは言えませんが、上品な甘さの餡としっとりとした皮が良く合っています。


石段街足湯与謝野晶子の詩徳富蘆花像 勝月堂から先程の鳥居前へ出て、今度は下っていきます。幅があまり広くない石段の両脇には、おみやげ屋や遊技場が並んでいて、料理屋などはあまり見当たらない印象でした。おみやげは定番の湯の花まんじゅうの他に、手作りの民芸品やお香、文香(便箋と一緒に封筒に入れる芳香剤のこと)などもありました。岸権旅館の入口脇にある足湯は自由に入ることができます。ぬるめのお湯が張られた湯船の底には丸石が埋められているため、踏みつけるように入るとマッサージになって気持ちいいです。ちなみに、この石段街から少し脇に入ったところにある金太夫の軒先にも足湯があります。さらに下って行くと、伊香保の歴史を記した石碑と、与謝野晶子の詩が刻まれた石段があります。石段は現在365段だったか、それぐらいあり、上り降りはけっこうハードでした。
 石段を最後まで降りて左に進むと、旧関所跡と旧ハワイ王国公使別邸があります。そこからほぼ正面に見えるのが、徳冨蘆花記念文学館です。明治時代のベストセラーのひとつである『不如帰』の著者(ちなみに、兄は政治家の徳富蘇峰)であり、この地で生涯を閉じた文豪にまつわる品々が数多く展示されており、離れの記念館は当時の空気を直に感じられることでしょう。なお、『不如帰』の読み方は、通常は「ほととぎす」と読みますが、蘆花は後に「ふじょき」と読んでいました。

突出し強肴

 温泉宿とくれば当然楽しみは風呂と料理。私がお世話になったのは、翌日行く予定だった竹久夢二伊香保記念館の真向かいにあるホテル天坊でした。食堂へ向かう途中にある“色紙廊下"には、様々な著名人のサインがズラーっと並んでおり、なかなか壮観です。他の宿同様、このホテルも伊香保の源泉2つを引いており(かけ流しではありません。というか、伊香保の湯はどちらもぬるいため加温がデフォです)、ひとつは上述の黄金の湯(硫酸塩泉)、もうひとつは平成8年に出来た白銀の湯(メタ珪酸単純泉)です。もっとも、後者は温泉としての成分はさほど多くないため、どちらかというと気分湯治に近いものがあります。ホテル天坊には大浴場の他に岩風呂もあり、こちらは雰囲気があって面白いです。料理は海鮮素材が中心のコース料理で、小食な私でも食べきれる(酒の力は借りましたがw)ほどよい量でした。一口ステーキがメチャクチャ美味かった。


義山楼夢二キャラメル 2日目はこの記念館のほかにロープウェイで展望台まで上がる予定でしたが、思いのほかじっくり堪能してしまったせいで、記念館にしかいけませんでした。それほどに大正ロマンが詰まった記念館の主役である芸術家・竹久夢二は、その人生がもはやロマンと言えるでしょう。伊香保に住んでいた女の子の見間違いから始まった夢二と伊香保の関わり(伊香保を訪れたことがなかった夢二に「以前、伊香保に来ませんでしたか?」というファンレターを出したことがきっかけで、夢二は伊香保を知る。ちなみに、展示室にはその手紙と夢二の返信が残されている)は、啓蒙と悲恋に彩られながら今なお鮮明に残っていました。名画『青山河』や『榛名山賦』(いずれも、当時の恋人であった彦乃を想いながら描いたノスタルジーあふれる作品)はもちろんのこと、夢二の絵はその力強く鮮やかな筆致とは裏腹に、非常にセンティメンタルかつセンシティヴな物が多く、眺めていると夢二のヒューマニティが何となくうかがえます。また、この大正ロマンの森には夢二記念館の他に、江戸~大正に実際に使用されたガラス食器を展示した義山楼と、まだシリンダー・オルゴールも無かった頃に現役で活躍していたディスク・オルゴールを展示した音のテーマ館などもあり、それぞれの調度品も全て大正時代を中心に実際に使用されたもので統一する、まさに敷地全体がタイム・リープしたかのような粋な演出が施されています(館内だけでなく、屋外も一流の庭師にデザインしてもらったらしい)。ちなみに、おみやげの一番人気である夢二キャラメルは、当時実際に明治製菓から発売するミルク・キャラメルのためにデザインされたもの(結局発売は中止になり、メーカー側も記念館側も理由は不明らしい)で、発売されたときは飛ぶように売れたそうです(館内にその旨が書かれた新聞記事までありました)。鎌倉文学館のような雰囲気が好きな人なら是非訪れたい場所です。

 こんな感じで、簡単ですがレポート終わります。次はどこに行きましょう?

テーマ : 温泉♪
ジャンル : 旅行

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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