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John Legend & The Roots / Wake Up!

Wake Up!


  Visit Official Site(John Legend)
  Visit Official Site(The Roots)

  リリース日:2010/9/21
  レーベル :Sony Music
  Ex-Prod.:Ahmir"?uestlove"Tompson, James Polister & John Legend
  客演参加 :Common, Melanie Fiona, CL Smooth, Malik Yusef

  評価:★★★★★★☆☆☆☆



 一通り聴いたあとに、思わず「うわぁ……」と言っちまった。おそらく、俺と同世代(80年代の生まれ)かそれより若い人間は、このアルバムを聴いたら同じリアクションをとることだろう。良く言えば先人たちの苦悩と志が凝縮された作品、悪く言えばとことん説教臭い作品――John LegendとThe Rootsという世間からすれば「夢の共演」にあたるであろうカヴァー・アルバムは、ご本人の言葉とは裏腹に、懐古主義に基づいた内容だ。ぶっちゃけ、トラックリストを見た瞬間にちょっと聴くのをためらってしまった。バラク・オバマ氏が米国初の黒人大統領に就任する前日にこのアルバムを企画したJohnがこの作品に込めた思いは、一見平和でありながら眼に見えない部分で進行している問題に今一度着目しよう、ということで、よくあるヒット・パレードのような内容ではなく、彼らが影響を受け、今なお語り継いでいきたいと願った11の楽曲が並んでいる。まぁ、それゆえにコンセプトも明確だし狙いも的確なのだが……。
 アルバムは、Curtis MayfieldがBaby Heuyのために書き下ろした《Hard Times》でスリリングに始まる。フィズ感あふれるホーンズ隊にグイッと迫ってくるベースも相まって、非常に輪郭のハッキリしたオープニングになっているし、もともとヒップホップのトラックにサンプリングされることの多かった曲なだけに、つかみはバッチリ。アルバム・タイトルの元になっているのは、3曲目のHarold Melvin & The Blue Notes《Wake Up Everybody》だが、ここではMelanie Fionaをフィーチャーし、Johnのゴワゴワした手触りのヴォーカルと好対照になっている(これほんとに別のスタジオで録ったのかよ?)。やわらかなストリングスの誘惑に身を委ねていると、ふたりのヴォーカルがよく際立っている。ご丁寧にMalik Yusefによる導入部まで用意したDonny Hathaway《Little Ghetto Boy》は、Dr. Dre《Lil Ghetto Boy》の元ネタとして有名だが、オリジナルの面影はほとんどなくなっている。
 このあたりまで聴いていると、少々個人的なノスタルジーが入ったソウル・スタンダードのカヴァーだが、問題となるのは後半。Mike James Kirklandの《Hang On In There》にしろ、Royal Rassesの《Humanity》にしろ、前者はKirkのギターと酔いどれたオルガンがストリングス隊の柔軟なプレイに上手く融合しているが、かの時代を知らない人間からすれば問題点が抽象的すぎて教師の小言を聞かされているようにしか思えないし、後者はレゲエの呑気な雰囲気に騙されそうになるが、「愛とはかくあるべし」などという独善的なリリックが少々ウザったい。オリジナル曲であるラストの《Shine》を除けばアルバムのトリとなるNina Simoneの名曲がせめてもの救いかな。それまでのいかにもぶったメッセージの数々を総括した上で、常に前向きであろうとポジティヴな姿勢を貫き通す。まるでゴスペル・クワイアのように揚々とJohnを支えるバックグラウンド・ヴォーカルもたっぷり羽目を外しているし、自らが座ったピアノの軽快なリフも小気味よい。どこか影のある楽曲群にあって、この曲だけは祝福に満ちている。まさに終わりよければすべてよし。
 このレビューを書いている間にも色々なレビュー・サイトや記事を読んだんだけど、やっぱり俺より歳上のリスナーは全体的に褒めているし、楽曲それ自体の評価なら特に反論をするつもりもない。しかし、このアルバムで使われているトピックは60~70年代の黒人という人種が社会的に蔑まれていた時代のものであり、その時代をリアルタイムで“感じた"人は大いに賛同できるのだろうけど、あいにく俺はまだ20代だし況んやアメリカ人でもない。過去を“知る"だけの人間に、このアルバムはそれほど多くのものを与えてはくれない。俺と同世代に薦めるなら、断然『How I Got Over』だ。



テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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