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【推薦】Chrisette Michele / Let Freedom Reign

Let Freedom Reign


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  リリース日:2010/11/30
  レーベル :Def Jam
  Ex-Prod.:Antonio "LA" Reid
  客演参加 :Talib Kweli, Black Thought, Rick Ross
  製作参加 :Ne-Yo, Chuck Harmony, etc.

  評価:★★★★★★★☆☆☆





 この新作リリースに先駆けて、どっかのキャバ嬢みたいだった盛り髪をバッサリ坊主にしたChrisette Micheleは、ともすると色モノ歌手と呼ばれかねない独特の歌声を持っているが、同時に自身を律する節度も持ち合わせている。Lauryn HillやSyleena Johnsonのように目の粗いハスキー・ヴォイスを、喉に飴玉でも詰まらせたように搾り出し、楽曲が沸点にさしかかると、母音発音の前にわずかに「H」の子音発音がくっつくファルセットが、裏返りながらゆらゆらと沈んでいくのを想像すれば、それがChrisetteの歌声だ。今作同様にChuck Harmonyが全ての楽曲をプロデュースしていた前作『Epiphany』は、たしかに統一感のある安定した内容だったが、それゆえに小ぢんまりとしていて、せっかくの彼女のヴォーカルがもったいない瞬間も多々あった。その反省点を踏まえた3作目は、先行シングルで抱いた期待を裏切らない良作に仕上がった。
 Chrisetteは、おとぎの国にあるだだっ広い城に暮らしていて、裕福さの束縛から解き放たれたいと願っている。――そんな触れ込みで始まるアルバムは、まず先行シングル《I'm A Star》でファンを安心させる。重心のどっしりしたビートの上をピアノのスタッカートが踊り、Chrisetteはレンジをめいっぱいに使って一夜の栄光を満喫する。その喜びを全身で受け止める様は、まだ20代とは思えないぐらい堂に入っているし、彼女のバックグラウンドにあるクラシック・ジャズの自由なアプローチを満喫できる。エレキ・ギターがほとばしるアリーナ・バラッドの《Number One》や《Goodbye Game》でのいかついがなり声はEn Vogue《Free Your Mind》を思わせるが、自身のヴォーカルをビートに真っ向からぶつけ、時に身軽に躱し往なす技術は、ところどころで彼女らを超える瞬間もある。そのビートの呪縛から解放された《I Don't Know Why, But I Do 》では、子守唄を口ずさむように、消え入りそうだがハッキリとした存在感のあるテナー・ヴォイスを、小節のすみずみまで使って堪能させる。Talib KweliとBlack Thoughtを迎えたタイトル・トラックではラップにも挑戦している(本人によると、デビュー以前はラップもしていたらしい)が、歌うようなフロウが自然に音階を刻みはじめるラップ・スタイルには2pacがオーヴァーラップする。ビートの隙間に多重シンセサイザーが入り込むアルバム唯一のアップ・テンポ・ナンバー《So Cool》も、今までの彼女とはまた違った側面が見えるし、これまでにも歌いこなしてきた軽やかなステップ・ビートのミッド・バラッド《I'm Your Life》は安心して聴いていられる。締め括りにはピアノとストリングスの厚化粧を施したMORバラッド《If Nobody Sang Along》と《I Know Nothing》が待ち構え、そのどちらも突出した出来でこそないが、以前の気取り過ぎたひけらかしをグッとこらえ、絵本のように彩り豊かなトラック・リストをゆっくりと振り返る。
 こまめにインターリュードを織り交ぜ、流れるような構成にした恩恵は、ChuckとChrisetteの実験的な行いを自然にアルバムというコンテクストに組み込んでいるし、実際、彼女のヴォーカルがいかようにも変化していける可能性を示唆することには、この作品は大いに意義があるといえる。ちょっとリリース・スパンが短すぎるのが気がかりだが、もしChrisetteがじっくりと楽曲を吟味して、かつてのJanet Jacksonのようにコンセプチュアルなアルバムを出す機会に恵まれたらと思うと、それを想像するだけで楽しみになってくる。まぁ、この不況にそれは無理だとしても、次回作あたりではまた処女作『I Am』のように複数名のプロデューサーを呼んだヴァラエティ豊かなアルバムを作ってみてもいいんじゃないだろうか。少なくとも、それが失敗することはまずないであろうことを、この作品は証明している。


テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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Author:S-Eye
ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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