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【推薦】Cee Lo Green / The Lady Killer

The Lady Killer

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  リリース日:2010/11/9
  レーベル :Warner / Electra
  Ex-Prod.:Cee Lo Green, Craig Kallman & KC Morton
  客演参加 :Selah Sue, Philip Bailey
  製作参加 :Gray Area, Ben H Allen, The Smeezingtons, Fraser T Smith,
         Salaam Remi, Patrice, Jack Splash, etc.

  評価:★★★★★★★★☆☆









 Cee Loの音楽をひとつのジャンルに限定して語ることは絶対に不可能だ。彼はGoodie Mobのメンバーとして活動していた時代からラッパーでありシンガーでありコンポーザーでもあった。そして、それらの技術全てに精通しており、さらに抜きん出ていたからだ。ソロ・デビュー作『Cee-Lo And His Perfect Imperfections』での大成功を受け、後に“笑激”のデビューを果たしたGnarls Barkleyまでもを大成功に導いた非凡な才能の持ち主は、その母体であるOrganized Noize一派から脈々と受け継がれてきた雑多でボーダーレスな音楽性をたったひとりで易々と体現してしまう。言うまでもなく、これは同じ釜の飯を食ったOutkastのAndre 3000にも共通している事項だが、Cee LoはむしろAndreよりも良い意味で“売れ線”のヴィジョンを持っている。古き良きモータウン・ビートを現代風にアレンジしてみたり、MIDIシーケンサー全盛期だった80年代のバブリーでゴージャスな美学をさも自然に取り込んでみたり、James Brownのような正統派またはZappのようなヘヴィ・ファンクにも挑戦したかと思えば、イギリス人ですら時代の流れに置き去りにしたロックンロールの反骨精神を彼らより忠実に再現する。その無鉄砲で無節操で無秩序なごっちゃ混ぜの音楽が、彼の「R&Bシンガーよりソウルフル」な歌声としてアウトプットされると、もはやそれは音楽の百貨店の様相を呈する。ところが、6年ぶりとなる3作目は、ラッパーとしてのCee Loはどこにも見当たらず、徹頭徹尾ソウル・シンガーとして振舞うことを選んだ。
 本作からの先行シングル《F**k You》をエアプレイ向けに改題した《Forget You》は、先んじて公開された歌詞ヴィデオの口コミだけで爆発的な再生回数を記録、正式に撮られたPVもユーモラスで大人気、さらに50 centが自身のラップを上乗せした半公式リミックスで話題を持続。多くの評論家が「今年最高のシングル」という評価には反論などできないし、する気もない。《F**k You》は歌詞ヴィデオを見れば判るとおりの恨み節だが、驚くほどのコミカルさも同時に併せ持っており、何より口ずさみやすいメロディ・ラインと洗練されたサウンド・テクスチャが強烈に記憶に残る。華やかなピアノと軽快なエレキ・ギターのカッティングが楽しげにおしくら饅頭を始めると、ベースラインとパーカッションがその隙間を縫い、仕上げにオルガンまで加わる贅沢なオーケストレーションが、注意して聴かないとそうとは気づかないほどまとまっている。エモーショナルでありながら統制されてもいるCee Loのヴォーカル・アプローチが、こういったゴージャスに着飾ったトラックにも負けないほどの迫力を持っているからこそ可能な楽曲であり、この曲を聴いてアルバムを楽しみにしないファンなどいるわけがない。
 アルバムは007よろしく「(オンナ)殺しのライセンス」を持つCee Loの語りからゆっくりと始まり、PVも製作された《Bright Lights Bigger City》で盛大に幕開けする。まるで80年代にタイム・スリップしたかのような夜の摩天楼を、分厚いシンセサイザーとストリングスのカーテンに仕切られた車で流しながら週末のパーティへと繰り出すと、Cee Loはまず夜の帝王というペルソナを選択し、アルバムのテーマを決定づける。《Wildflower》はAshford & Simpson《Ain't No Mountain High Enougn》のように疾走感のあるトラックでホーンズが吹きすさび、女性器を花びらに喩えファルセット混じりにその花びらを開かせる。James Brown《Please, Please, Please》を思わせる《Please》ではうって変わり、ベルギーの新人Selah Sueと即興的で奔放なデュエットをたのしむと、《Satisfied》や《It's OK》ではDiana Ross & Supermesのようなモータウン様式美(ズンタッズンタッのリズム刻みね)に則り、甘酸っぱい恋心を歌う。《Cry Baby》では涼しげなウェスト・コースト・ソウルのエッセンスを取り入れるが、グルーヴの感覚は基本に忠実で、ゴージャスなオーケストレーションはむしろシカゴ・ソウルに近い。スタッカート混じりのホーンズとヴォーカルがビートのようにリズムをとる《Fool For You》をはさみ、タイトル通りのオールディーズ《Old Fashioned》は、Bobby Womackのように濃厚なアプローチで先人たちへ敬意を払い、アルバムは閉幕する。
 もちろん、このアルバムはCee Loのベスト・アルバムではないし、全体的に“出来杉君”なきらいもあって、なんでもアリの混沌とした作風こそをCee Loの真骨頂とするリスナーには物足りないかもしれない。それでも彼が表現する音楽には彼ならではの魅力があって、それらの楽曲が他に見劣りするようなことはない。確かに「Cee Loならこれぐらい作れて当然」という意見も正しいが、それは同時にこの非凡な才能を持った巨漢への称賛でもあるのだ。


テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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