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【推薦】Ronald Isley / Mr. I

Mr. I



  リリース日:2010/11/30
  レーベル :Def Soul
  Ex-Prod.:Ronald Isley, Marcus King and Antonio "LA" Reid
  客演参加 :T.I., Aretha Franklin
  製作参加 :Kajun, Fuego, Tricky Stewart, Greg Curtis, Song Dynasty,
         Jerry "Wonda" Duplessis, etc.

  評価:★★★★★★★☆☆☆



 思わず「お勤めご苦労様です」と頭を下げてしまいそうなほどの物々しい貫禄で出所したばかりのRon Isley。先日のソウル・トレイン・アウォードでも《No More》のPVよろしくヴェルヴェットのテーラード・ジャケット、金柄のステッキ、巨大レンズのサングラスというギャング映画のボス役みたいな風体(R. KellyからもらったMr. Bigsのキャラクター)で現れ、Keyshia Cole, El DeBarge, Eric Benét, Peabo Bryson, Johnny Gill, R. Kelly, Cee Lo Greenといった錚々たる顔ぶれにトリビュート・パフォーマンスをさも当然のようにやらせていたRon様も、今年で御年69。Smokey RobinsonやStevie Wonderといった大御所がマイペースな吟遊詩人の道を歩む中、アーティスト活動50年を数える今でも第一線に君臨し「生涯現役」を誓ったRonは、さしずめR&B界の生き字引といったところか。多くのヴォーカリストたちが自身の技量を誇示するように難しくややこしい楽曲に挑む姿をあざ笑うかのように、Ronは何の変哲もないトラックを自身の閨房美学でそんじょそこらのミュージシャンごときには到底真似できないようなベッドタイム・ドラマに仕立て上げる。その不安定に揺らめく発声がメロウネスなトラックに寝そべると、彼にしか出せない色気となり、気化され立ち昇るエロティシズムがじんわりと鼓膜を包みこむと、まるでセックスという行為がとてつもなく素晴らしい営みであるかのように錯覚させる。
 今回のアルバムで世話役(もっとも、これまで通り実際に世話しているのは他ならぬRonなのだが)として選ばれたのは、Kajun, Fuego, Tricky Stewart, Gregg Curtisといった、Ronからすればまだ毛も生えていないガキンチョのような顔ぶれだが、その誰しもが敬意に満ちている。たぶんTrickyなんかはガッチガチに緊張してただろうな(笑)。アコースティック楽器を中心に、Ronのソングライティングを決して邪魔しないように細心の注意が払われ、いつもの無味乾燥で四角四面な打ち込みドラムをかなぐり捨てた代わりに木々の温もりを残したパーカッションをあてがい、もちろんIsleysの代名詞であるたおやかなキーボードの隠し味も忘れず、Ronのヴォーカルを活かすことに尽力している。
 ヴァイオリンが四方八方を飛び交うなか、69歳とは思えぬほどアグレッシヴにシャウトを織り交ぜ、高温域はザラついたファルセットで意識をつんざく《Take It How You Want It》でお得意の“シルクの似合う夜の音楽”で幕開けするアルバムは、意外にも次の先行シングル《No More》でセンティメンタルな青春恋愛を爽やかに歌い上げる。アコースティック・ギターのなめらかな爪弾きでシンプルに色付けされたヴァースから自然にピアノとヴァイオリンが寄り添い、かつて別れた恋人たちと照らし合わせながら最後の恋を誓うさまは、ちょっと筆舌に尽くし難い神々しさのようなものまである。哀愁たっぷりのエレキ・ギターが絞ったベースラインに代わり泣きじゃくる《Supposed To Do》で微睡むように優しく撫で回し、《Between The Sheets》のようにキーボドが点滅し浮遊する《Dance For Me》でさらに深く沈み込んでいくと、R. Kellyが多大な影響を受けた官能美学の伝道者としての側面がよく見える。Aretha Franklinとのほどよく肩の力を抜いたデュエット《きみの友だち》は、スタジオ一発録りとしか思えない、ふたりのアイコンタクトまで眼に浮かぶような即興性に満ちているし、締め括りの《You Had Me At Hello》までRonのヴォーカルは柔軟性があり、50年の歴史を感じさせる頼もしさがある。若手との化学反応が起こっているわけでも新しいことに挑戦しているわけでもない(というか彼がやったことのない手法などあるのだろうか)が、Ronが決して単なる“ボーカロイド”になることなく、自身の長所を伸ばすための活力剤としてプロデューサーを使ったこのアルバムは、伝統と格式を今風にうまくアップデートできている。ぜひCDラックに並べておきたい良質のソウル・ミュージックだ。


テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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