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【推薦】Lil Wayne / Tha Carter IV

Tha Carter IV  Visit Official Site
  リリース日:2011/8/29
  レーベル :Universal / Cash Money / Young Money
  Ex-Prod.:Ronald Williams, Bryan Williams & Dwayne Carter
  客演参加 :Cory Gunz, Drake, T-Pain, Tech N9ne, Rick Ross, John Legend,
         Jadakiss, Bun B, Nas, Shyne, Bruno Mars, Kevin Rundolf(※),
         Birdman(※) ※日本盤のみ
  製作参加 :Willy Will, DVLP, Filthy, Megaman, Mr. Bangledesh, Snizzy, T-Minus,
         Young Fyre, Polow Da Don, The Commission, Cool & Dre, Detail,
         Tha Drummahz, Angel "OnHel" Aponte, Christopher Allen, Infamous,
         REO(※), The Smeezingtons(※), Diplo(※) ※デラックス・エディションのみ
  評価:★★★★★★★☆☆☆







 このアルバムが売れなかったら他に何が売れるのだろう。Carterシリーズのナンバリングでは4番目となる通算11作目は、期待こそ裏切らないが予想にも違わない出来だ。要するに08年のスマッシュ・ヒット『Tha Carter Ⅲ』の顰に習った全方位外交アルバム。事実、この作品はリリース初週でほぼミリオンを達成している。
 これまでに何度も述べてきたことだが、Weezyの魅力はその甲高いダミ声や柔軟なフロウより先に、ラップの基本をしっかり理解している点にある。08年最高のヒップホップ・シングルが彼の《A Milli》だった事実からも解るように、Weezyはほとんどフリースタイルのように即興的なフロウを、あたかもリリック・ノートにしたためたかのように正確無比にラップする。そもそも彼がキャッシュ・マネーとの契約を勝ち取ったのも、留守電に自身のフリースタイルを吹き込んだのがきっかけなのだ。《A Milli》と同じくMr. Bangledeshが手がけた今作からのファースト・シングル、Harry Belafonte《Day O》(俺らの世代だとむしろ野茂英雄のテーマなのだが)の1小節を狂ったように繰り返す《6 Foot 7 Foot》がそれにあたる。ヤング・マネーの総司令官であり、無差別論者であり、傷つきやすいフェミニストであり、飽くことなきオンナったらしでありと、まるで一致しないペルソナを次々に並べ立て、ハイトーン・ヴォイスで銭勘定をするが、「人生はビッチ(正しい和訳は「人生は儘ならない」だが)、死はその妹、睡眠がその従兄弟、ヒデェ家族だな」「俺自身が俺のコンサルタントだから独り言をいう」「頭が切れるから間違って自分の頭を切断する」「カネに向かって“後ろにいるぞ”と忠告する」など、思わず笑ってしまうラインがてんこ盛り。ハッキリ言って舎弟のCory Gunzの見せ場など、Twistaばりの速射ラップで言葉を詰め込む数小節しかないぐらいだ。
 そしてクリエイターとしてのWeezyは、何よりもパクリ芸に秀でている。今作が延期を繰り返したことをファンに詫びた無料ミックステープ『Sorry 4 The Wait』は、自身のフリースタイルに使うトラックのほとんどを他人様から無断拝借したうえで「オリジナルのアーティストがこれを聴いたら、俺をゲストに呼ばなかったことを後悔する」と大言している。実際のところ、このミックステープに収録されている楽曲が全てオリジナルを超えているなんてことはないし、そもそも本人もただの余興として作っただけなので、作品自体もラフネックな出来ではある。しかし、このアンダーグラウンドかつ傍若無人なミュージシャンシップが覚醒すると、今作からのセカンド・シングル《John》のような素晴らしい楽曲が出来上がる。フックのリリックは、ゲスト参加しているRick Rossが昨年に出した『Teflon Don』に収録されていた《I'm Not A Star》の冒頭まんま。偉そうにプロデューサーとしてクレジットされているPolow Da Donがしたことといえば、せいぜいドラムラインの配置を変え、オクターヴずつ音階を上げるピーヒャラ・シンセを付け加えたにすぎず、J.U.S.T.I.C.E. Leagueのそれをほぼ流用している。にも関わらず、この曲は単なる焼き直しではないばかりか、Rick Rossを感化させて鬼気迫るフロウを引き出している。
 この2曲を前後半それぞれのハイライトに配置している点も抜かり無いし、他の楽曲も劣らず粒が揃っている。緊迫したストリングスを上乗せしたズンドコ節に、自身の帰還を祝いながらハッパをゆっくりと吸い込む《Blunt Blowin》や、トップに君臨しながらも同時に自身が犯した過ちを省みて恐怖する《Nightmares Of The Bottom》、荒廃したバック・コーラスと傷だらけのCDを再生したようなフックが不気味な叙事詩《President Carter》は、彼がソロ・アクトでどれだけリスナーを惹きつけられるかを再確認できる。T-Painとの真面目ぶった《How To Hate》で「売女は愛せない」と堅気な姿勢に入ると、対を成す《How To Love》では好きになった女性が自分のものにならないことを嘆く。無論、こういったラジオ・フレンドリーなトラックがWeezyの“品のない”声と調和する瞬間は夢ごこちだが、その端々に潜むカミソリのように鋭い物騒なライムの存在に気づくと、同時に寒気もする。――なんて書くと、まんま往年の2pacなのだが、Weezyの尊敬するラッパーのひとりが他ならぬその人なのだから仕方ない。実際このアルバムは、すでに組み上がっている足場の上にどっかりと胡坐をかいている内容だし、それゆえに文句のつけようもないのだ。


テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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