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Johnny Gill / Still Winning

Still Winning


  リリース日:2011/10/11
  レーベル :Fontana Distribution / Notifi Music Group
  Ex-Prod.:Ira DeWitt and Johnny Gill
  客演参加 :Eddie Levert, Keith Sweat
  製作参加 :Sanchez Holmes, Bryan-Michael Cox, Ralph B. Stacy, Troy Taylor,
         Johnta Austin, Vincent "Invincible" Watson, Jimmy Jam & Terry Lewis,
         Kevin Ross, James "Big Jim" Wright, etc.

  評価:★★★★★☆☆☆☆☆



 17歳でデビューしたJohnny Gillは、その年齢不相応なオッサン声と、これも年齢不相応な歌唱力の持ち主で、一時期「Luther Vandrossの隠し子」とまで冗談めかして囁かれた、R&B史上トップ・クラスの天才的なヴォーカリストだった。しかし彼は、これまでただの1度も名盤と呼べる作品を出せていない。全身の血が滾るようなアツいシャウトも、ロマンティックなファルセットも、何より抜群のピッチ・コントロールとリズム感覚も、どれをとっても掛け値なしに素晴らしく、聴く者を魅了する彼の歌声は、プロダクションとのマッチングが成功すると《My, My, My》のような信じられない名曲を生むが、大抵はその「巧すぎる」ヴォーカル・パフォーマンスを持て余すだけに終わってきたからだ。無論、なんの取り柄もない凡庸な楽曲を、彼のヴォーカルが救済したケースも少なからずあるし、それができる人間がいかに少なかったかは、ニュー・ジャック・スウィング全盛時代の同期たちと聴き比べれば手に取るように解る。しかしそれゆえに、この15年ぶりの新作は、今日に至るまでの空白の期間がどれだけ長かったかを痛切に感じさせてしまうのだ。
 まずNew Editionの時代とその前後――おそらく最もGillが世間的に知られていた頃の彼の歌声を想像している人には、この作品に想像を絶する違和感を覚えることを忠告しておかなければならない。プロダクションの傾向やリリックの内容がそうであるように、彼のヴォーカルもまた絶対的なものではないことを、彼自身がこの作品で暴露してしまうからだ。底なしの肺活量とまで評せされた、しなやかだがそれ以上に強力な発声はどこへやら。感情はずっと抑えこまれ、もちろん代名詞であるシャウト自体は健在だが、爆発するような迫力はもうなくなっている。NEの再々結成盤が05年だから、最後のスタジオ・テイクから6年が経過しているわけだが、この変貌ぶりはいささか戸惑ってしまうものがある。
 だがちょっと待ってほしい。先行シングル《In The Mood》のセクシーなヴォーカリゼーションは、むしろこの変化がプラスに作用した例ではないか。きめ細かい高音域を主体に組み上げたメロディ・ラインを巧みに操り、Ronald Isleyのような官能美学を提示するこの曲は、思わずゾクゾクするようなベッドタイム・スムースに仕上がっている。この曲を聴く限りでは、彼のそうした変化が必ずしも悪影響ばかりではないことを示唆している。子守唄のようなピアノだけをバックに従え、互いに割り切った“2号さん”の関係に沈んでいく《2nd Place》も、全編ファルセットの、かつてのGillからは考えられない造りだが、このシンプル極まりないトラックでもGillがまだまだ歌えることを証明している。まさかのPaul McCartneyをカヴァーしたラストの《My Love》でさえ、Jam & Lewisが設えたGillのためのアレンジメントの上で自由に楽しんでいる。
 では他の楽曲はどうだろう。幕開けの中途半端なシンフォニック・ロック《Still Winning》は、これまた中途半端なヒップホップ・アプローチが、何だかいたたまれない気分にさせますな。Troy TalorとJohnta Austinの共作《Just The Way You Are》は、情けないことにMario《Let Me Love You》の丸パクリじゃないか。今は亡きGerald Levertの代役に親父のEddieを引きずり込んだインチキLSGまであるぞ。という具合に、別にGill様が歌わなくてもなぁってレヴェルの平々凡々な楽曲。ハッキリ言って、15年ぶりのソロ・アルバムという以上の価値は、この作品には見出せない。かつてしのぎを削った同期たちの多分にもれず、この天才シンガーももはや過去の存在になってしまったのだろうか。


テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ブラック・ミュージックを聴いていたりエロゲーをやっていたりするバーテンダーです。批評は基本的に辛口、読んでムカつくこともあるかと思いますが、正直なレビューを心がけていますのでご了承ください。コメント/トラックバックはお気軽にどうぞ。リンクもご自由に。

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